リリースの準備

歌詞のデリバリ

ファンやリスナーによるミュージックの楽しみ方や共有方法が多様化していく中で、一部ジャンルの曲との出会いにおいて、歌詞が重要な役割を担うようになりました。新しく気に入った曲をApple Musicで歌詞から検索する場合、あるいはお馴染みの曲を同期歌詞に合わせて歌う場合のいずれでも、歌詞が曲とのつながりを深めてくれるものとなります。

表記形式と構造

歌詞は音声に合わせて正確に書き出してください。ボーカルパートすべてに対し歌詞が必要となります。スタイルの都合上、提供された歌詞の表記形式をAppleが変更する場合があります。

歌詞の表記形式や構成は、歌の構成と一致させてください。歌詞の構成は、パートや曲調の変化に合わせて改行や段落で区切ることが重要です。歌詞は行間を空けずにまとめ、Aメロからサビへ変化する部分等、小節間でのみ1行空けてください。

改行や段落を挿入する位置については、次に挙げられる箇所を一般的な目安としてください。

  • イントロ、Aメロ、Bメロ、サビなど、歌詞のパートが明らかに変化する箇所
  • 曲のテンポが変化する箇所
  • 歌詞の表現方法が変化する箇所(歌唱からラップへの変化など)

大文字/小文字:歌詞の表記には一般的な文法ルールを適用します。英字表記の場合、固有名詞の語頭や、一文の初めは大文字にしてください。

句読法:歌詞の各行末に句点や読点を含めてはいけません。句読法における記号類で行末に含められるのは、感嘆符、疑問符、引用符のみです。必要な場合にのみ使用してください。

Cleanバージョン/Explicitバージョンの歌詞:「Clean」という用語は、当該トラックにExplicitバージョンがある場合にのみ使用してください。Cleanバージョンの歌詞では、削除または変更した部分はアスタリスクで表記します。

Apple MusicやiTunes Storeに関する要件とガイドラインの全容については、「Apple Musicスタイルガイド」の「歌詞のガイドライン」セクションをご覧ください。

同期歌詞

同期歌詞により、お気に入りの曲に対する理解が深まり、ファンやリスナーがその曲に対してより愛着を感じるようになるでしょう。アルバムアートワークから生成された色鮮やかで迫力のある背景と共に、曲と完全に同期した歌詞が表示されます。

同期歌詞は、Apple Musicへ実際に提供するオーディオのバージョンに合わせたものを設定してください。同じ曲でもバージョンが異なると、同期のタイミングは異なります。

同期歌詞のデリバリは、TTMLファイルフォーマットを使用して、TransporterやiTunes Connect経由で実行します。

歌詞の提出

ユーザエンゲージメントの最大化とデリバリプロセスの効率化を図るため、配信流通パートナーとエンコーディングハウスは、必要なオーディオトラックの言語、公式歌詞、該当するソングライターや作詞者の役割を、初回デリバリ時にiTunes ProducerやTransporterでデリバリしてください。

オーディオトラックの言語とクレジットに関するメタデータを正確に提供することで、ミュージックのデリバリプロセスが効率化され、Apple Musicでのコンテンツ配信を円滑に行うことができます。Appleは、メタデータが可能な限り正確になるよう、オーディオ言語やクレジットに関する選択肢を幅広く用意しています。詳細については、「iTunesパッケージミュージック仕様」の「トラックのオーディオ言語」と「言語コード」、および「Apple Musicスタイルガイド」の「名前とクレジット」を参照してください。

配信パートナーやエンコーディングハウスは、iTunes Producer、iTunes Connect、Transporterを使用したデリバリの過程で歌詞を提出することができます。ミュージックのリリースと同時にファンが歌詞を利用できるようにするため、歌詞のメタデータはリリース日の5日前までにデリバリする必要があります。

iTunes Producerを介した歌詞の提出

曲の初回デリバリ時にiTunes Producer経由で歌詞を提出する場合、「トラック」セクションから実行します。

  1. 「トラック」セクションの下部にある「歌詞」をクリックします。
  2. 歌詞を追加する「トラック」ペインの上部にあるトラックを選択します。
  3. 選択したトラックの歌詞を「歌詞」で入力します。歌詞は最大2,000文字で、リッチテキスト形式を指定することも可能です。なお、歌詞は一般公開に適している必要があります。
  4. アルバムのトラックごとにステップ2と3を繰り返し行います。
  5. 「次へ」をクリックします。iTunes Producerで「ローカリゼーション」セクションが表示されるので、必要に応じて、ローカライズされたテキストを提供してください。詳細については「ローカリゼーションの追加」を参照してください。
  6. 「トラック」ペインの下部にある「配信権/価格」をクリックします。詳細については、「トラック配信権および価格の入力」を参照してください。

iTunes Connectを介した歌詞の提出

iTunes Connectでは、「歌詞をアップロード」機能経由で通常の歌詞および同期歌詞を送信できます。

  1. iTunes Connectで、「マイミュージック」をクリックします。
  2. 歌詞を提供するトラックが収録されているアルバムを検索します。
  3. 「アルバム詳細」ページで、トラックレベルまでスクロールします。
  4. 当該トラックの「詳細」をクリックします。
  5. 「トラック配信権」ページで、「トラック概要」の右上隅にある「歌詞をアップロード」をクリックします。

Transporterを介した歌詞の提出

アルバムに収録するトラックの歌詞は、iTunes固有の機能向けの拡張子を持つ、TTML形式のドキュメントでデリバリする必要があります。

Transporterを使用して歌詞を含めたパッケージをデリバリする場合、「iTunesビデオとオーディオのアセットガイド」の「TTMLファイルのフォーマット」セクションを必ず参照してください。

既存の歌詞の更新

以前にデリバリした歌詞の差し替えは、Transporter、iTunes Producer、iTunes Connect経由で実行できます。

注:既存の歌詞がAppleにすでに認証されている場合は、歌詞を再デリバリしても新しいものに差し替えられることはありません。iTunes Connect内の「お問い合わせ」フォームをご利用ください。

歌詞の翻訳と発音

Apple Musicでは、機械学習の活用と言語専門家のチューニングにより、一部の曲で歌詞を翻訳、発音できるようになりました。リリース日の遅くとも5日前までに、通常の歌詞を曲のオリジナル言語で、ミュージックのパッケージ全体と併せて提出してください。これは、歌詞の翻訳や字訳が可能な限り表示されるようにするために必要です。なおAppleでは、できるだけ多くの曲でこの機能を提供したいと考えていますが、歌詞の翻訳と発音は、Apple Musicが対応する言語のすべてで保証されるものではなく、一部の言語ではサポートされない場合があります。

Apple Musicの歌詞の翻訳または字訳に問題が見つかった場合は、Appleのチームまでお知らせください

Apple Musicに対する権限の付与

Apple MusicとiTunes StoreにおけるAppleのライセンスは、Music Reportsによって管理されています。歌詞に関する全般的な権限をApple MusicとiTunes Storeに付与するには、Music ReportsのWebサイトにアクセスしてログインまたはサインアップしてください。Music ReportsのSongdex Marketplaceポータルでは、ミュージックの配信や歌詞に関する権限を付与するための手順を確認できます。この手順は、Apple Musicにおける著作権に関する使用許諾契約に沿ったものとなっています。