ミュージックのデジタルパッケージの制作方法
物理メディア版と同様に、アーティストやバンドのデジタル版コンテンツにおいても、アートワーク、オーディオ、製品 ID は非常に重要な役割を担っています。これらの要素により、ミュージックをユーザが Apple Music 上で見つけたり、リリースしたコンテンツに対する反響をアーティストが把握・分析したりできます。
アーティストの Apple ID
アーティストの Apple ID とは、初回デリバリ後にアーティストに割り当てられる、数字で構成された一意の識別子です。
Apple は、アーティストの Apple ID を使用して Apple Music や iTunes Store にアーティストページを作成します。当該ページでは、そのアーティストやバンドに関連するミュージックがすべて公開されます。アーティストの Apple ID は、ミュージックやアーティスト画像の管理、およびチケット処理を行う上で必要となります。新しいアーティストの Apple ID の作成に関する詳細は、「iTunes Package Artist Specification」を参照してください。
膨大な数のミュージックを抱える Apple のカタログの性質上、類似の名前、アルバム名、トラック名を持つアーティストが複数存在する可能性があります。アーティストページに関する問題を回避できるよう、iTunes Producer や Transporter でデリバリを行う際は、アーティストの Apple ID を使用することを強く推奨しています。当該 Apple ID を使用することによるデリバリ後の利点については、「アーティストページ」を参照してください。
アートワーク
カバーアートは、Apple Music や iTunes Store でコンテンツの「顔」となるものです。カバーアートをデリバリする前に、以下のガイドラインを確認してください。
- アートワークは、オリジナルのものを使用することが推奨されます。
- ファイルの最小サイズは 1400 x 1400 ピクセルですが、3000 x 3000 ピクセル以上を推奨しています。
- 画像は、アスペクト比が 1:1 の正方形にします。
- ファイルフォーマットは、JPEG か PNG を選択します (品質は 100% に設定)。
- 不明瞭、不揃いである、ピクセル化している、位置合わせがずれている、回転している画像は使用しないでください。ただし、芸術的表現として行う場合は、この限りではありません。
- 誤解を招くようなアートワークは避けてください。たとえば、アルバム内で演奏や歌唱を担当していないアーティストに関して、目立つように描写したり言及したりすることは認められません。
- いかなる種類の広告や宣伝の記載も認められません。たとえば、Apple Music や iTunes Store と競合する企業やサービスの情報、今後のプロダクトリリースに関する URL、ロゴ、日付などが該当します。
その他のスタイルに関する基準およびガイドラインについては、「Apple Music スタイルガイド」や「iTunes Package Artist Specification」を参照してください。
モーションアートワーク
アルバム用モーションアートワークを提供することで、ミュージックを再生する前から、リスナーに豊かな音楽体験を届けることができます。
これは、アルバムアートワークに美しく表現豊かな動きを加えたもので、ファンに驚きやワクワクを提供できるものです。なお、このモーションアートワークは、リスナーの好みに応じて「今すぐ聴く」タブでも表示される場合があります。
詳しい仕様については「Apple Music アルバム用モーションパートナーガイドライン」をご確認ください。静止画との統一感を保ちつつもインパクトがあり、かつ iPhone、iPad、Mac、スマートテレビなどデバイスが変わっても認識しやすいアートワークを作成する方法について説明しています。また作成の際には「Apple Music スタイルガイド」も遵守する必要があります。Transporter 経由でモーションアートワークをデリバリする方法については、「iTunes パッケージミュージック仕様」を参照してください。
オーディオ要件
Apple では、サンプリングレートが 44.1 kHz、48 kHz、88.2 kHz、96 kHz、176.4 kHz、192 kHz のいずれかで、かつ解像度が 16 ビットまたは 24 ビットのオーディオが許容されています。サポートされているフォーマットの詳細については、こちらを参照してください。
オーディオ圧縮方法の 1 つで音質が良いとされるロスレスオーディオが登場してから、Apple は、カタログ全体をさまざまな解像度のロスレスオーディオで楽しむことができるようたゆまぬ努力を続けてきました。ロスレスとは、データの損失が起きない圧縮方法を指しており、すべてのデータを完璧に保ったままファイルのサイズを小さくすることができます。Apple Music は、周波数 48 kHz までのロスレスオーディオをロスレス、48 kHz よりも高く 192 kHz までのものをハイレゾロスレスと呼んでいます。すでに Apple Music や iTunes Store にデリバリされたコンテンツについては、自動的にフォーマットの更新が行われ、「ロスレス」または「ハイレゾロスレス」のバッジが表示されます。
また、Apple はリスナーの音楽体験を向上させることができる空間オーディオと Apple Digital Masters にも対応しています。ミュージックを空間オーディオや Apple Digital Masters でデリバリする場合は、特定の要件を満たす必要があります。使用できるメディアファイルの種類に関する詳細は、「iTunes ビデオとオーディオのアセットガイド」を参照してください。
製品 ID
販売されている製品には通常、製品を消費者と結びつける一意の識別子が割り当てられていますが、ミュージックもその例外ではありません。ミュージックを Apple Music や iTunes Store でストリーミングや販売するには、各製品 (アルバム、EP、シングル、ビデオなど) に対して一意の UPC、EAN、または JAN と、ISRC が必要です。
再生数や購入数を正確に計算および把握できるよう、デリバリ時に以下の識別子を必ず提供してください。
- UPC、EAN および JAN。すべてのデジタル版アルバムに対して、デリバリ時に一意の UPC が必要となります。UPC (ユニバーサル商品コード)、EAN (欧州商品番号)、JAN (日本商品番号) は、販売する商品に対して発行される一意の識別子で、編集することはできません。これらの一意の識別子 (バーコードとも呼ばれます) は、売上の把握およびレポートに使用されます。UPC を変更または再利用することはできません。
- ISRC (国際標準レコーディングコード)。各曲またはミュージックビデオに対して 1 つの ISRC が必要です。ISRC は、各曲およびミュージックビデオに対して指定される 12 文字の一意の国際的な識別子です。当該識別子を取得するには、アメリカレコード協会 (RIAA) までお問い合わせください。ISRC を指定してミュージックを提出した後に変更を加えることは一切できません。